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【レポート】地域だからこそできるオルタナティブな生き方を探そう(新潟ライフデザインカレッジ)

新年度から3か月、早いもので2023年も半分が過ぎました。


新生活がスタートした皆さんは新しい環境に慣れましたでしょうか?


就活中の皆さんは恐らく選考の真っ只中。内定やお祈りメールに一喜一憂し、ガクチカと自己分析という言葉にうんざりしている頃だと思います。


新社会人の皆さんのなかには、入社したものの早くも違和感を感じているかもしれませんね。

コロナ禍でリモートワークが普及したこともあり、20-30代を中心に副業兼業が広がり、地域でも一部企業、金融機関でも副業解禁の動きが増えてきました。

優秀な人材の定着率改善、キャリア自律の促進、世の中の動きへの迎合など、導入の思惑は様々だと思います。


社会人生活が長い方も副業や転職、新しい働き方が身近になってきて、いよいよ自らの働き方に疑問を持ったり見直し始めた方もいるかもしれません。


今回はこれからキャリアを考える皆さん、特に学生の皆さん向けに新潟市雇用・新潟暮らし推進課と新潟日報社、当社で実施した「新潟ライフデザインカレッジ」について全3回を振り返りながら、ゲストの経験から得られた地域だからこそできるオルタナティブな生き方の可能性について考えてみたいと思います。

※オルタナティブとは「主流とは異なる新しいものや方法、代替」を表す言葉

新潟ライフデザインカレッジとは?


コンセプトは「自分らしいキャリアをロールモデルと一緒に考えるイキカタ学部へようこそ」

学校では教えてくれないであろうニューノーマルな時代のキャリアの考え方をテーマにした実践的な講座です。


新潟市雇用・新潟暮らし推進室主催、新潟日報社と協同で運営する事業であり、プログラム監修と当日コーディネーター/ファシリテーターは山本が担当しました。


独自のライフスタイルを実現した将来のロールモデルとなり得るようなゲストを各回お呼びし、ゲストのキャリアストーリーを根掘り葉掘り掘り下げながら、地域で自分らしい生き方や働き方を実現するためのヒントを見つけます。


毎回のプログラムは、以下のような構成です。

  • イントロダクション(キャリアの考え方に関する基礎講義)

  • ゲストトーク

  • ゲストとコーディネーターのトークセッション

  • 参加者同士でグループで感想共有、振り返り

  • 振り返りの全体共有と質疑応答

  • ゲストや事務局も交えた全体での交流会

各地で作ってきた場作りの学びと経験、キャリアの知見を統合した集大成的なプログラムであり、座学で学ぶだけでなく、対話を中心に学校の垣根を超えた交流が起こるように工夫しました。参加型にしたことも後程触れる満足度の高さに繋がっていたかもしれません。



第1回「異なる分野を渡り歩き自分らしい未来を探す探求者」


記念すべき一人目のゲストは齋藤華さん。

群馬県から進学を機に新潟にやってきた齋藤華さん。大学では幼児保育を学びながらも、その職には就かないという選択をされます。



民間に就職後、印刷会社のWEBメディアの立ち上げを経験。新潟発のベンチャー企業に転職しコミュニティマネージャーをしながら、個人でもライティングの仕事をしています。


その選択の背景にあった価値観と自らの行動から得られた教訓、県外から来た華さんが感じる新潟の特徴など、トークセッションを通じてキャリアを紐解き、学生の皆さんがこれからの生き方を考えるヒントを見つけていきました。


イントロダクションでキャリア自律や人生100年時代という言葉を概念的理論的に伝えてもピンと来なかったと思いますが、華さんの実践経験を交えることでリアリティのあるものになったように思います。

第2回「学校教育と先生をエンパワメントする元教員フリーランス」


2人目のゲストは木村有希さん

新潟から関西の大学に進学後、海外での留学経験から今の自分のルーツとなるものを得て、帰国後には高校教員を経験。その後転職し民間企業を経て、新潟在住の教育系フリーランスという生き方を選びます。



過去の体験から自分の得意・不得意、何を大事にして生きていきたいのかが明らかになっていったという木村さん。導入講義を体現するかのように、紆余曲折な経験と出会いから徐々にキャリア自律を体現されたお話をしてくれました。


学生の皆さんもその言葉を一言も聞き逃すまいと前のめりにメモを取り、積極的に質問する姿にこちらも刺激をもらいました。


継続して参加してくれている学生のなかには、齋藤さんが運営する社会人が集まるイベントに早速参加するといった主体的な行動に移している姿も見られ。嬉しい限りでした。

第3回「楽しい暮らしを自分でつくる越境系建築士」


3人目のゲストは小林紘大さん

新潟大学工学部で建築を学び、在学中から精力的に活動。アルバイトで入ったファーストフードチェーン店ではマネージャー職を経験するほど打ち込みます。


ファーストキャリアを考えるタイミングから戦略的に自分のキャリアの方向性を考え、卒業後も転職を通じて着実に自分の専門性を磨いていった小林さん。



プライベートでは自身が住むアパートのコミュニティマネージャーをきっかけに、二枚目の名刺活動をスタート。エリアリノベーションなどの経験を積んでいくなかでフリーランスとなり、活動の幅をどんどん広げ遂には会社も設立されました。


ワークライフバランスという概念に留まらない仕事とプライベートの境目が溶けて相乗効果を生み出していくような活動と戦略的な考え方に刺激を受け、どのように自分の専門性や強みを広げていくか積極的に質問していました。

参加者の声と反応


今回のプログラムでは後半の交流会を設け、学生の皆さんと直接対話する時間がたくさんありました。



新潟×キャリアに関する課題と可能性をテーマに何人かのお話を聞きましたが、なんとなく関東圏・ベンチャー・大企業の方がよいと思っていて、仕事を「会社」で捉えている人が多いのが印象的でした。

”地元企業は教育をちゃんとしてくれない”

”成長機会も少ない、ファーストキャリアに向かないのでは…”


などなど、断片的情報で新潟で働くイメージを形成している様子。


キャリアセンターや就活サイトでたくさん情報が与えられますが、それが全てだと思ってしまったり、それ以外の探し方や自己分析の以外のローカル特有の判断軸はまだまだ知られてないのだなと実感しました。

企業と接するなかで確かにそういう側面があるの事実です。我々社会人側の責任もありますが、好ましくない環境から逃れるかのように消極的選択で県外を選んでしまうのは些か残念ではありました。


しかし、今回対話を重ねていくと彼らの価値観が徐々に変わっていくのを感じました。

「ロールモデルや社会人の皆さんと対話し、地域で働くことの見方が変わりました。こういうプログラム求めてました!」と企画段階で考えていた仮説通りのような言葉をもらい、本プログラムの影響力に手応えを感じました。

終了後まとめたアンケート結果からも一部紹介します。





オルタナティブなキャリアを実現するポイント


新潟ライフデザインカレッジは、ゲストのストーリーを紐解き今後のキャリアを自分事で考えるプログラムでした。


プログラムデザインをして改めて考えたことは、果たしてゲストの実践知と戦略には一定の普遍性があり再現性があるのかという点です。


換言すると、地域で同じように行動すれば、誰もが好ましい変化を自らにもたらすことができるのでしょうか。


精緻な検証はできていないので経験則の域を出ていませんが、自身の経験と3名のゲストのキャリア、理論等と照らし合わせ、地域でオルタナティブに生きるためのポイントとして以下の3つが見えてきました。


①余計なこだわりを捨て、変われることを武器にする


専門学校に行ってせっかく資格を取ったのだから...

○○業界でX年の経験がある、それを活かすために...


誰もが得られた経験をそのまま活かそうと考えるのは、当たり前だと思います。

昔取った杵柄なんて言葉もありますが、過去の努力や頑張りを繋げられないかと意図するのは無理もありません。


しかし私たちの価値観や能力は他社と環境との相互作用で幾分にも変化するもの。

歳を経ると変わりにくくなる説もありますが、本来変わろうと覚悟でれきばいくらでも変われるのです。


簡単に変われなれない理由は、先述の経験が足枷になるためです。


サンクコストバイアスとも言われますが、私たちは「これ以上は無駄だ」「もう見切りをつけた方がいい」と理解していても、これまで費やしてきた時間や心理的金銭的投資があるとそれを手放せずに固執してしまう傾向があります。


近年は過去の成功体験や常識、当たり前をあえて手放すアンラーン(学習棄却)も話題になっていますが、こだわりを手放して新しい自分を受け入れられるかが一つに武器になると考えます。


都市部でやっていたことを活かして地域でも…という発想も悪くはありませんが、こだわり過ぎるのも考えもの。これは学生ではなく社会人ほど気を付けなければならないですね。


人生100年時代、年齢を理由にせず思い立ったその瞬間から全く新しい領域に飛び込んでみてもよいかもしれません。



②繋がりやコミュニティを複数持つ


地域に馴染み色んな繋がりを広げることは、精神的な充足感に繋がります。

職場や学校だけでなく、ゼミや趣味的サークルだけでなく、ぜひ複数のコミュニティに所属して過ごしてみてください。


私やゲストも複数のコミュニティやネットワークに身を置いたことをきっかけに、自分らしい生き方を実現してきました。

その際、キャリアを広げる手がかりとして、自分が理想とする生き方やステージにいる人と繋がることを意識してみるといいでしょう。


たとえば副業兼業の経験をもとに人生を変えたいと思えば、パラレルキャリアを実践した人たちの繋がりに身を置く。

(皆さんの周りでは珍しいかもしれませんが、私の周りにはそういう方がたくさんいらっしゃいます!)

起業やフリーランスという選択肢を本格的に考えたければ、起業家やフリーランスの皆さんと繋がり、一緒にイベントをやってみたりインターンしてみる。

(観客として話を聞くより、一緒に活動した方が間違いなく学びが得られます!)


人生を変える三要素として「仕事」「住む場所」「コミュニティ」を挙げますが、コミュニティから受ける影響は少なくありません。


逆に、変化を望んでいるにもかかわらず何年一緒にいても話題や行動の傾向が変わないコミュニティは危険です。

変わることに億劫にならないために、変態的な人(変化が常態化した人の略)と繋がっておくことをオススメします。

③機会を待つだけでなく、自ら創る側に


これも今回のゲストと自身の経験に通じますが、キャリアを変えるきっかけとなるような偶然の出会いやきっかけが舞い込んできました。


思いもよらなかった偶然がもたらす幸運を「セレンディピティ」と呼びますが、果たして偶然には個人差があるのでしょうか。


自分はいつもツイてないから巡ってこなかった…そう考える方もいらっしゃるかもしれません。

変化の姿勢にも通じますが、そうした偶然は多少の個人差あれど、誰もが人生において数回は巡ってくるものと考えた方が自然ではないでしょうか。

この偶然を掴めるかどうかもありますが、気づけるかどうかという点も重要です。

英語のことわざにseize the fortune by the forelock. (幸運の女神には、前髪しかない。)というものがあります。


幸福の女神には前髪しかないので、通り過ぎた後で慌てて掴もうとしても、後ろ髪がないのでつかむことが出来ない...そんな教訓のことわざですが、その通りだと思います。。


プログラムのなかでも紹介しましたが、計画的偶発性理論を唱えたジョン・クランボルツも、キャリアの8割は偶然の産物であるとしながらもこの幸運な偶然を引き寄せるための行動指針を5つ示しています。


  1. 好奇心(Curiosity):新しいことに興味を持ち続ける

  2. 持続性(Persistence):失敗してもあきらめずに努力する

  3. 楽観性(Optimism):何事もポジティブに考える

  4. 柔軟性(Flexibility):こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる

  5. 冒険心(Risk Taking):結果がわからなくても挑戦する


特に若いうちは自分にチャンスを与えてくれる人が周りにいると思います。学生時代はゼミや担任の先生、社会人でも目をかけてくれる上司が最たる例です。


しかし歳を重ねるにつれて、周囲の人が与えてくれるチャンスは確実に減っていきます。

自ら行動してチャンスの到来を促し、兆しを見逃さないようにしましょう。


”自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ”

リクルート創業者・江副浩正氏がつくられた同社の旧社訓ですが、この言葉通りの姿勢が地域での自分らしいキャリア形成には求められます。


地域ではそもそもの活動人口の総数が少ないため、受け身にならず自分から動けるかどうかで大きく可能性は変わってきます。

変化を待つのではなく、自分が起こすくらいの気概で生きられれば、地域にある課題もチャンスに見えてくるはずです。



2023のライフデザインカレッジ

今年度も開講を予定しており、関係者と準備調整を進めています。

ここで綴ったような生きた学びが得られる講座ですので、学生の皆さんはぜひ参加検討ください。


個人的には学生だけでなく、社会人の方も学べる場も限定的つくりたいと思いますので、ご期待いただけると幸いです。


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