11月16日、宮古市にて今年2回目となる経営者セミナーとルーキーズカレッジⓇを開催しました。
若手社員の早期離職に繋がる要因を特定し、ピンポイントで手当をすべく2017年より始まった宮古ルーキーズカレッジ。
もちろんこれは対処療法的なので、それらの問題を引き起こす地域と企業の構造に着目し、試行錯誤してきたこの1年。
そしてタイトルの問いの下、宮古市産業支援センターとみやっこベースの皆さんと協働して経営者・人事担当者セミナーの取り組んできました。
経営者セミナーでは、今回以下のようなテーマで2時間、前半・後半に分けて行いました。
今回の内容に至ったのは「そもそも中小企業ではHR領域に関するノウハウがなく、俗人的かつ場当たり的になっているのではないか?」という仮説から、このテーマでやらせていただきました。
レクチャーとワークを挟みながら進め、記入いただいたアンケートをもとに関係者と振り返りをしてきましたがまさに仮説通り。
経営目標に基づいて採用をしてない
人材育成の目的を理解していない
採用と育成計画がセットで考えられてない
人材採用ではなく人手採用になっている
そもそも採用基準がない(言語化されていない)etc…
当初これらがある程度理解されている前提で問題構造を捉えていましたが、どうやら基本的な前提がずれていました。正直思っていた以上にこの問題構造は根深そうです。
経営目標を目的地、バスを会社と例えた時、まず目的地を決めるのではなく誰をバスに乗せるかから考える。
予測困難で変化の激しい道中も苦楽を共にできる、信頼できる人をバスに乗せるかが大事でその見極めのためにも採用基準をつくるべき。
応募者視点でいえば、仮に目的地が明確でなくても、この人たちがいるバスなら乗りたいと思ってもらえるかどうかで考える。
ビジョナリー・カンパニーで有名な一節ですが、どこに行くかも分からず、誰が運転しているのかも分からないバスに人生を預けたいと思う人は少ないはず。特に意志ある若者はそうですよね。
これから労働人口が全国で年間十数万は減少するかもしれないフェーズに入り、果たしてこれまでのようなやり方で通用するのかというとその答えは自明で、気付いた時には恐らくもう手遅れでしょう。
バケツに入る水がごく僅かで簡単には増やせないなら、まず開いた穴をいかに塞ぐかを考えなければ無意味に帰します。
地域のすべての中小企業を救うのは無理という前提で、残された時間で限られたリソースをどこに注力するか。そんな話を関係者の皆さんと終わった後の振り返りでずっとしていました。
中小企業の人材育成と組織づくりに関する問題は、環境要因も相まって自社だけでどうにもいかないケースが多いのは事実です。
加えてHR領域に関するノウハウが無いということは、人や組織の問題が起きた時、そもそもその問題がなぜ起こったのかが分からないという可能性があります。
そうなると、早期離職・人が育たない・いい人が集まらないといった問題の理由を他責にしてしまうかもしれませんが、それでは問題は解決しません。
問題を的確に見立て、解決策まで落とし込めなければ悪循環を断ち切ることはできないでしょう。
未来を左右する局面に間接的にでも関わることに大きな責任を感じるとともに、このどの地方都市も抱えるであろうシステムレベルの無理難題をいかに解決するかに燃える自分もいて、能力の限界に挑む意味を感じる今日この頃。
今回やってみて今後の方向性とフォーカスすべきものは見えてきたので、引き続き仮説検証しながら問題構造に効くレバレッジポイントを探り、システムへのアプローチを続けて変化を起こしにいきます。
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